《MUMEI》 『‥ちくしょ‥』 誰もいない、公園。 そこにある、土管の中。 オレはそこで、独りで蹲ってた。 体中寒くて、震えて。 でも涙だけは、何か熱かった。 『‥っ‥‥‥‥‥』 寂しくて、悔しくて‥、何でオレがこんな目に遭わなきゃなんねーんだ、って‥イラついて。 せっかく、オレを一員にしてくれた家族なのに。 出て来て良かったのか、悪かったのか‥いまいちよく分からなかった。 『‥‥‥‥‥‥‥』 ‥帰りたい。 初めて、帰りたい、って思った。 オレには今まで、帰る場所なんかなかった。 でも、やっとそれが見つかったんだ。 オレの我家が。 前へ |次へ |
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