《MUMEI》

『‥ちくしょ‥』

誰もいない、公園。

そこにある、土管の中。

オレはそこで、独りで蹲ってた。

体中寒くて、震えて。

でも涙だけは、何か熱かった。

『‥っ‥‥‥‥‥』

寂しくて、悔しくて‥、何でオレがこんな目に遭わなきゃなんねーんだ、って‥イラついて。

せっかく、オレを一員にしてくれた家族なのに。

出て来て良かったのか、悪かったのか‥いまいちよく分からなかった。

『‥‥‥‥‥‥‥』

‥帰りたい。

初めて、帰りたい、って思った。

オレには今まで、帰る場所なんかなかった。

でも、やっとそれが見つかったんだ。

オレの我家が。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫