《MUMEI》 『──兄ちゃん!!』 聞き覚えがある声が、した。 『ク‥ル‥ミ‥?』 そういい終わらない内に。 『バカっ!!』 クルミが、抱き‥、いや、飛び付いてきた。 『兄ちゃんのバカっ! バカバカバカっ』 オレの胸倉をドンドン叩きながら、クルミは泣いてた。 『兄ちゃん‥あたしらがどんだけ心配したと思ってんのさ‥!』 『‥あたしら‥?』 その言葉から、捜しに来たのは、クルミ1人じゃないって事に気付いた。 『──リ〜ンゴ、出ておいで』 『そんな所にいると寒いぞ?』 『母さん‥父さん‥?』 2人まで、オレを捜しに来てくれた。 血の繋がってない、オレを。 前へ |次へ |
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