《MUMEI》

『オレの‥名前の意味?』

『──そう』

お袋は、何でか遠い目をしてた。

『これ、中開けてごらん?』

そう言って手渡されたのは、御守。

紐を解くと、中から1枚の紙が出てきた。

その紙を広げると。

【林檎へ】

綺麗な字で、宛名が書かれてあった。

その下には、手紙みたいに言葉が続いてて‥オレはゆっくりと目で追った。

読みながら、ほんとの母さんの字だ、って事が──何となく分かった。

【辛い目にあわせてごめんなさい。】

『‥‥‥‥‥‥‥』

【それでも、生きて欲しかったから‥あなたを施設に預けました。】

『ぇ‥?』

どーゆー意味だろ、──そう思った。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫