《MUMEI》
プロローグ 「それらのモノはヒトを殺す」
世界は人からモノへ 
 モノから人のようなモノへと  流れてゆく 


切り出しナイフから 小刀そして……携帯 

ボクの 最強の兵器 

 この僅かな電波の塊に過ぎない薄い小さな機械の箱が ボクの魂と同化し研き澄まされた今
…最強の兵器へと変貌を遂げた 


透き通るような刃紋のさざ波に映る 断末魔の叫び… 
あの妖刀…村正のごとき切れ味の鋭さに浮かぶ嗚咽の中の血の匂い… 

それは……正にボクとわたしが それらの彼岸を支配する 鬼畜悪魔に獲り憑かれた最高の瞬間なのだ… 

隠れた闇の世界はもうボクからは逃げることはできない
世界はボクとわたしの意識のままになる

ボクは復讐する
そして 神になる
ボクは ボクの悪魔をわたしの神に変えてやるのだ

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