《MUMEI》 「ぁ、そういえば先生」 「?」 「いっつもここでお昼してるけど‥何で?」 「ん、何で、って──広いし」 「それだけ?」 「んー‥、見晴らしもいいしな」 「後は?」 身を乗り出して訊いたら、 先生はちょっと困ったみたいな顔になった。 「佐原‥今日やけに質問多くないか?」 「先生の授業に比べたら断然少ないって」 「お前‥まさか腹癒せに?」 「ちっ‥違いますよっ」 何だか頬が熱くなって、 またあたしは先生から顔を背けた。 「先生のバカ‥」 「おいおい、バカって‥」 苦笑しながら、 またメロンパンにチョコシロをかける先生。 ──やっぱり、 子どもみたい。 前へ |次へ |
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