《MUMEI》

「いや、心臓は先生にならなくても大事っしょ」

「───────」

「先生‥?」

「──ははっ、佐原お前面白いなぁ」

「な‥何で笑うんですか」

「心だよ、ココロ」

「心‥?」

心が‥

一番大事‥?

「何で?」

「まぁ、そういうもんだ」

「──ぇ、ちゃんと教えてよ」

「いつか、な」

そう言って先生は、

あたしの頭にポンッと手を乗せた。

大きくて、

あったかい手。

「───────」

ねぇ、

先生?

あたし、

先生の事好きだよ。

好きじゃダメかな──。

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