《MUMEI》

──黒板に、

チョークがぶつかる音。

教科書書を読む、

先生の声。

「───────」

あたしは、

ボーッとして‥

頬杖を突きながら先生を見てた。

けど目が合いそうになって‥

慌てて教科書を立てて顔を隠した。

「──じゃあ佐原、2段落目から」

「‥!?」

何で当てるの‥!?

「佐原?」

「ゎ‥分かってます」

ガタッ、

と立ち上がって、

あたしは2段落目の行から3段落目までの間を読んだ。

「よし、じゃあ次は伊波──」

「はい」

「佐原、もう座っていいぞ?」

「ぇ、ぁ‥はい」

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