《MUMEI》 「どっちも一緒」 ポンッとスー君の頭に手を置いて、芭子さんはニッコリしました。 「──未桜ちゃん」 「はっ‥はい!」 「ありがとう」 「ぇ?」 「林檎、未桜ちゃんのお陰で──毎日すっごく楽しそうなの」 「楽しそう‥?」 そうなんですか? 「でも、スー君──」 「まだちょっと、素直になれないみたいだけどね」 「‥うっせぇ」 林檎君は芭子さんの手を頭からどけると、乱暴に私の手を掴んで引っ張りました。 「行くぞ、ほら」 「はいっ♪」 何だか──とっても楽しみですっ。 前へ |次へ |
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