《MUMEI》

もう、

授業どころじゃない。

心臓がヤバい。

先生に、

当てられただけで。


だって、

いきなり当てるんだもん。

確かに‥

あたしボーッとしてたけど‥。

でも、

あれは不意打ちだよ‥。

「──────、?」

シャーペンが、

落ちた。

「──よっ‥、?」

拾おうとして、

何かが前を横切った。

「ぇ‥」

「ほら」

「ぁ‥、ありがと‥ございます‥」

シャーペンを受け取る瞬間、

ほんのちょっとだけ、

先生の手があたしの手に触れた。

「‥‥‥‥‥‥‥」

その部分だけ、

火傷したみたいに熱かった。

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