《MUMEI》

 フェニックス第一分署 

暗い遺体安置室の中央に白いシーツを掛けられた根元博士の遺体が静かに置かれていた… 
傍らには 一人うなだれたまま…重く哀しい瞳で遺体をじっと見つめる 香野ユカの姿があった 


栄一は 捜査官から執拗に博士の身辺を問い糾されている 

「…それで……君たちは 博士の以来を受けてアラスカまで 行ったんだな …その 以来の目的とは…なんだ… ? 」 
二人の捜査官は 懐疑的な目を一層輝かせ 栄一を見つめた 

「コレです…………   」 

栄一は上着のポケットから その小さな木箱を取り出すと 中を開けて捜査官に見せた 

「……? これは ? 」 
捜査官たちは自分の想像を裏切られたのか… 
目の前の小さな黒い欠片を不思議そうな顔をして… 覗きこんだ 


「隕石の欠片ですよ… 」 

栄一はその 謎めいた力を持つ 小さな黒い欠片を見つめて  言った 。



しばらくすると 同僚の一人が捜査官たちのところへやって来て 何やら耳打ち話しを始めた 


すると…何故か捜査官たちの態度は急に丁寧になり…栄一とユカを別の部屋に案内した… 



そして部屋のドアを開けると… 

つい先日…あのアラスカの研究所で白い恐怖から逃れてきた二人を救い出した…リードが
待ち構えたように…
そこに腰をかけていた 。 

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