《MUMEI》

「おだててもムダですよ〜だ」

「煽てじゃなくて、本当なんだけどなぁ」

「せめてさ、もうちょっと少なくしてよ。ね?」

「お前達の為なんだぞ?」

そう言って、

笑う先生。

とても25歳には見えない。

あたしとタメにしか見えないんだよね──

どう見ても。

「ん? どうかしたか佐原?」

「な‥何でもないからっ。ていうか、先生教務室にいなくていいの?」

「一応、見回りに来たんだけどさ」

「何で?」

「んー‥まぁ、あんまり遅くまで残ってると帰り危ないだろ? 佐原部活ないんだからさ、早めに帰った方がいいんじゃないか?」

「大丈夫だって、あたしさらわれる程可愛くないもん」

「そうか?」

「──ぇ」

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