《MUMEI》 湖のような君教室の中は、今朝も騒がしい。緩やかな空気。 隅で、プロレスをしている男子がいた。 こどもかよ・・・。 心の奥で呟いて、鞄をおく。 「由良(ゆら)、おはよう。」 やわらかい声に振り向くと、かわいらしい笑顔が見えた。 「おはよう、亜柚乃。・・・っと、宿題見せて?」 「え〜?いきなりだな。」 苦く笑って、亜柚乃はノートを探しだす。その仕草は、ひどく優しかった。 今日も、亜柚乃は綺麗だ。 前へ |次へ |
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