《MUMEI》

「はいっ、どうぞ♪」

「別に飲みたかねーのに──」

「嘘ついてもダメですよ? 私知ってるんですから♪」

「‥あん時はたまたま飲みたくなっただけだっつの」

「でもスー君、リンゴ好きじゃないですか♪」

「‥好きだけど」

ちょっとだけホッペを赤くして、スー君はリンゴジュースを一気に飲み干してしまいました。

そして、空き缶を──

「よっ」

2メートル位先にあるゴミ箱へ、投げ込んだんです。

「わぁ♪」

「‥何だよ」

「凄いですねスー君っ」

「何が」

「今、ゴミ箱に入ったじゃないですか♪」

「──それが何だよ」

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