《MUMEI》

『どなたか存じませんが、ありがとうございます。
本当に財布をおとしまして、、、でも、信じてもらえず困っておった所です。』
と社長は深々と頭を下げてきた。

「いえっ、・・・・あ、先に警察に届けられたほうが・・・僕はかまいませんから!失礼します」

『いや、あ、ではお名刺かなにか頂けますか?性格上、きちんとお返しはさせていただきたく・・・』


そうだった。仕事にも自分にも厳しい社長だった・・社員にももちろん厳しかった。
こんなにも、社会人としてこんな若僧に、きっちりした対応をするんだな。さすがに社長となるだけある。

「あ、では名刺で、失礼します。会社は、役員入れ替えをしまして20日で僕は退社となりますが・・一応、では失礼します。」


何度もお礼をいわれ俺達はわかれた。

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