《MUMEI》 先生の苦手な物「せんせーっ!」 「ぉぉ、佐原どうした?」 「昨日、読んでみたんだけどさ‥やっぱり分かんなかった」 「お、それでも挑戦したんだな──偉い偉い」 先生は、 軽くあたしの頭を撫でた。 ‥撫でた‥? 「何やってるの先生‥!?」 「ん、何って──褒めたんだけど?」 「小学生ですかっ」 「悪い、やだったか? ごめんな」 「‥や、じゃないですけど‥」 何か、 ちょっとモヤモヤする。 先生は、 チョコシロが彼女みたいなものだから。 あたしは、 ただの生徒で‥ まだ子どもで。 大人の先生とは、 釣り合う訳ない、 って── 分かってる。 でも、 好きでいさせて下さい。 先生の事──‥。 前へ |次へ |
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