《MUMEI》
体育館裏
それにしても誰だろう?
私を呼び出したの。
あ!来たみたい。

「あなたたち?私を呼び出したの。」
「そうよ!
西連寺さん?あなた最近調子に乗りすぎなのよ!」
「そうよ!
いくら同じ学校出身だからって有坂君と仲良くして!」
「そうよそうよ!
さらに斉藤君ともよ!?」
「え〜と、つまりあなたたちは最近私が葵君と斉藤君と仲がいいのが気に食わないわけね?」
「そうよ!」
「でも、葵君なら狙うだけ無駄だよ?」
「な・なんでよ?」
「だって、葵君は最近付き合い始めたあたしの親友にメロメロだもん。」
「じゃぁ聞くけどそんな子いったい何処に居るって言うの?
今まで見たことないわよ?」
「あたりまえよ。
卒業と同時に外国へ引越ししちゃったんだから。
好きでいるのは自由だけど、むくわれないって言うだけよ。」
「でもでも、なんで転校してきたばっかりの斉藤君と中がいいのよ?」
「幼馴染だからよ?
昔転校しちゃったんだけどね。」

「さて、そろそろ帰ってもいい?
ちょっと用事があるんだけど?」
「帰すわけないでしょ!?
あんたのそういうとこがむかつくのよ!」
「おいてめえら!」
「きゃ!斉藤君!?
なんでここに!?」
「そんな事はどうでもいいんだよ!
俺の幼馴染に手を出す奴はゆるさねえぞ!」

バタバタバタバタッ!

「行ったねぇ。
さすが斉藤君。」
「なにが『さすが』だ!
ちょっとは言い返せよお前。
それか、かわす位しろよ。
お前それでも武道の有段者か?」
「ん〜?
まぁ一発くらい殴らせて証拠として先生に言いつけるほうがいいかなぁ〜?
と思って。」
「おまえ・・・・・・・
腹黒いなぁ。」
「昔からでしょ?」
「茜や葵の前以外でだけどな。」
「うん。昔からあの二人には見せられないんだよねぇ。」
「でもたとえあいつらが気付いたとしてもお前を嫌ったりしないと思うぞ?」
「うん。それは解ってるんだけど、なんかいえないんだよねぇ。」
「まぁなんか、あいつらには言いにくいよなぁ」
「うん。何でだろうね?」
「さぁな。」

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