《MUMEI》
猛毒キャンディー
『…まさか洗剤で洗うことによって顔面の油汚れを落としてしまうとは』

『スポンジじいさん、あんたの意思確かに承けついだぜ……おらああああこれでも喰らえええええ』

『ぐわっ…がはっ…やっ…やめてくれ』

『いまごろ謝っても遅いんだよぉ……おらあ…この一撃はスポンジじいさんのぶんだ…おらあ』

バス上部についているテレビでは、フライパンの顔をした主人公が逃げ惑う油汚れに洗剤をぶっかけている。

これがお遊戯部屋だったらよかったのにね。

入口前の補助席にはにはピコピコハンマーを持ったアフロのオッサンがじっと黙って座っているんだもの。子供達にいたっては命令されてもいないのにシートの上に正座だもん。泣けてくるよね、そして詰まらないよね先生がみんなを喜ばせるために新作を借りてきたのに……
「ハーイみなさーん注目」

アフロ男が叫んだ

「アニメをいったん停止して…クイズをしましょう。イエーーーイ」

勝手に盛り上がる男。テレビを中断されて、内心苛立つ子供達。

「第一問パンはパンでも食べられないパンはなーんだ??」

………………………静まり返る。

「なんだあ??みんなわからないのか??…ちょっと難しすぎたか??……ああそこのお前」

「えっ、僕ですか??」

「そう、お前」

「てっ…手を挙げたんじゃ無くて、脇が痒かったからかかじっただけなんだけど……」

「あてずっぽうでいいから」

「…………」

「…………」

「パッ…パンダ……」

「うーん……あってるにはあってるけどまだあるよね。よく考えてみようパンダってそこまで食べられないことは無いと思うぞ」

こいつ馬鹿か、どこの国の食卓だよ。子供にサバイバル術をふきこんでんじゃねぇーよ……心の中でツッコム運転手。

「いや、君はいい線いってると思うけどもっとあるよね……ヒントフライパンマン」

「こいつ、答えいいやがったよ」

思わずツッコンでしまった運転手幸いアフロには聞こえてない。

「はっ…はい……フッ…フライパン」

「ビンゴゥ!!……正解はフライパンでしたあ!!正解したボーイにはキャンディーを贈呈だ!!」

黒糖キャンディーを男が渡した。

(ヒイイイイイイイイイ猛毒キャンディーだアアアアアアア)

男が後ろを向いている隙をついてキャンディーを窓から投げ捨てた。

「くそっ……警察は何をしてるんだ」

上では報道ヘリの爆音が聞こえる。

園児たちは特撮アニメで出てくるようなヒーローを待ち望んでいた……

前へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫