《MUMEI》

「だって恐いじゃないですかっ‥」

「ならオレに掴まってりゃいーだろ」

スー君はあくまで冷静みたいです‥。

でも私は──

「きゃーッ落ちちゃいます落ちちゃいます落ちちゃいますーっ!!」

叫んでばっかりです‥。

「!?」

一瞬、体が浮くような気がした、次の瞬間。

「〜〜〜〜〜!!」

私達を乗せたゴンドラは、ほぼ垂直に滝壺へ落ちて行きました‥。

バシャッ、と水しぶきが上がって、ちょっと濡れちゃったみたいです‥。

「‥ぃ‥生きてますか?」

「こっちの台詞だ」

「───────」

「ミィ?」

「恐かったです〜っ‥」

「転覆しなかったんからいーだろ」

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