《MUMEI》

汽笛の鳴る音がして、汽車が動き出しました。

「わぁ──」

「まぁまぁだな、乗り心地は」

「楽しいですねー♪」

「‥ガキなんだから‥」

「?」

「何でもねーよ」

「んん‥?」

今、何か言ったみたいでしたけど‥。

「スー君、何か言いました?」

「言ってねーよ」

「───────」

「何だよ、ジロジロ見やがって‥」

「えっと‥、透視をですね──」

「バカ」

「?」

「出来る訳ねーだろ」

「分かんないですよ?」

「なら当ててみろよ、オレがさっき何て言ったか」

「〜〜〜〜〜〜‥」

「何だ、分かんねーんじゃねーか」

「ぅぅぅ‥」

分かりません‥。

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