《MUMEI》

周哉がアルバムの写真を見ていると、
「何してるの?」
と、急に後ろから声をかけられた。
「え!?」
いきなり声をかけられて周哉はすごく驚いた。
(家には誰もいなかったと思うけど)
そう思いながら、周哉が後ろを向いた。
声の主は、
「そんなに驚いた?」
周哉の驚きっぷりを見て、逆に驚いた弥生だった。
「あれ?弥生さん居たんですか?」
「ええ、今日は仕事が休みなの。それよりも」
弥生は周哉の手にあるアルバムに興味を持ったらしい。
「それ、アルバム?」
「あ、はい」
「どうしてアルバムなんか出してるの?」
「実は・・・」
周哉は今日あった出来事を弥生に話した。
「・・・てゆう訳なんですよ」
「そんなに似てるの?」
「はい」
弥生は周哉の話しを聞いて、麻耶に興味を持った。
「どんな写真があるの?ちょっと見せて」
そう言って、弥生は周哉の手からアルバムを取った。
「あ、これ昔の周哉君ね。ふふ、可愛いわ」
しばらくアルバムを捲っていると、弥生が、
「この子が麻耶ちゃんね」
弥生が、麻耶がミーヤを抱いている写真を見ながら言った。
「直哉さんから話しは聞いてたけど・・・。こんなに似てるなんてね。本当に驚きだわ」
その時、玄関の方から、
「ただいまー」
という声が聞こえた。
秋穂が帰って来たようだ。
「ふふ、秋穂の驚く顔が目に浮かぶわ」
そう言って弥生は玄関の方に向かった。

前へ

作品目次へ
ケータイ小説検索へ
新規作家登録へ
便利サイト検索へ

携帯小説の
(C)無銘文庫