《MUMEI》

―――…ガラガラッ…!


アナウンスの声が流れるとともに、目の前のドアが開く…!


オレは慌てた!


心の声「しまった…!」


ミヒャエルの存在に心惑わされる間に、ブルーシグナルが点灯してしまったのだ!


オレは後ろの乗客らに押し退けられるように、ホームに弾き出される…!


たたらを踏んで転びそうになったところを、後ろからミヒャエルが音も無く抜き去っていった。


心の声「野郎!」


オレは体制を立て直すや、その後ろ姿を睨み下唇を噛んだ…。


六本木GPは、オレの痛恨のスタートミスによって幕を開けた…。


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