《MUMEI》 「遅い!」 アラタは怒りを表明する。家に戻ると珍しく全員集まっていた。 いや、二人足りてない。 「申し訳ない、すぐ動ける状態じゃなかったんだ。」 陽炎が謝る。濡れタオルを玄関で渡す。 その場でアラタは全て脱ぎ捨てる。 「それぞれの者が持ち場から離れるには不自然な距離と時間帯だった。」 紅蓮が続ける。 「何もなかったか?」 奥から燈影が着替えを投げる。 「消し炭にはならなかったけど? 最悪。玄関のニオイ消えるかな。取り敢えず、落としてくる。 あ、笑ってよ、 高柳樹に助けられちゃった。」 言うこと言ってアラタはさっさと浴室に入った。 前へ |次へ |
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