《MUMEI》

下りエスカレーターで、ヤツとオレの靴音は、同一のリズムでシンクロしている…。


即ちそれは、階段やエスカレーターのような一定間隔の段差を通過するときは、必然的に同じペースを刻むことを意味していた。


心の声「一定の段差を同じリズムで…!?

…そうか!…そうだったのか!」


いくらミヒャエルの足が長くとも、段差を登り降りするときには、歩幅を小さくするしかない…。


つまり"足の長さの違い"によるヤツの優位性は、この場所で完全にスポイルされるのだ…!


これこそが、ヤツに勝つための唯一の希望の光だった。


オレは、L字形に連続する下りエスカレーターの一つ目を降りると、心中に閃いたアイデアを実行に移す…!

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫