《MUMEI》

ミヒャエルは、音速の貴公子の名に恥じぬ圧倒的なスピード(歩速)で、大江戸線改札前にある、僅か3段の下り階段を一足飛びに通過した。


心の声「は!…速い!!」


オレは回転数を上げて、ヤツのケツに懸命に食い下がるも、付いてゆくのがやっとだった。


小さな階段を過ぎると、左手に都営地下鉄の職員が見守る、大江戸線の自動改札機が現れる。


ヤツは携帯電話をそのタッチパネル部分にタッチした。


―――…ピッ…カシャン!


ヤツの余りに速い歩調が、改札機のフラップドアが開くより早く蹴飛ばしてゆく…!

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