《MUMEI》

オレはミヒャエルの後ろ姿を視界の真ん中に捕捉しながら、その背中を追おうとするが…。


心の声「糞!!」


オレの目前を、大江戸線ホームから登ってきた乗降客の列が遮る…!


オレはペースダウンを余儀なくされ、行き交う人々の群れに翻弄された…!


ヤツとの20センチもの身長差が生む、もう一つのオレの弱点…


つまりそれは視界の低さだった…。



長身のミヒャエルは、おそらく"鳥"の目線を持っているのだろう…。


つまりヤツは高い目線で人波を見渡し、一瞬のうちに最適なルートを導き出すことが出来るのだ…!

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