《MUMEI》

オレの眼差しは、人波の間隙に一瞬見た、誰も居ないスペースに吸い寄せられた。


その空間は、まるで天使の仮面を被った悪魔のように、妖しくオレを誘っていた…。


心の声「ここを進むべきか……?

…でも…………………………。」


オレは、そのスペースに飛び込むことを躊躇った。


其所に人影が無いことも、オレの躊躇にも、理由がある…。



オレが垣間見たスペース………。



それは、超巨大エスカレーターに併設された、殆ど誰も利用しない超巨大階段だった…!

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