《MUMEI》

          :
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最後の一段を降りたとき……


澱んだ空気と、行き詰まるような圧迫感が、オレを包みこんでいた…。


――…ドクン…ドクン…ドクン…ドクン…


――…ハァ、ハァ、ハァ、ハァ…


呼吸は乱れ、心臓は悲鳴をあげている…!


地底の空気は暑苦しく……酸素の割合が低いように感じられる…。


暑さに加え、階段を駆け降りた運動によって、滝のように汗が顎から滴った…。



オレの右手には、短い通路の先に、黄土色したトンネル状の空間が広がっている。


其所は、国内最深部にある駅のホームだった…。

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