《MUMEI》

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ゴールラインを過ぎても、ミヒャエルは速度を弛めることなく…


大江戸線の最後尾車両の乗降口に向かって歩いていった。


おそらくヤツは、汐留シオサイトあたりで降りるのだろう…。


オレは放心状態で、ホームの片隅に佇んでいた…。


瞼の裏に焼きついたゴールの瞬間…


オレとミヒャエルは、ゴールライン上で、まったくの同体だった…。



ただ…



ほんの少しだけ…



欧米人の鼻が高い分だけ…



ヤツの方が、早くラインを通過していた…………。


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