《MUMEI》

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暫時後…


オレは大江戸線の車両に揺られていた…。



トンネルの内径が小さいためか、やかましい車輪とレールの摩擦音が、車内まで反響してくる…。



オレはそんな嫌な音に表情を歪めることもなく…


ただ黙って窓の外を眺めていた…。



無論、そこに景色などある筈もなく…


単調な地下トンネルの壁面が、無限ループのように流れてゆくだけだった。



心の声「いい勝負だったよ…。」


オレは、勝負の余韻に浸りながら、後方の車両に乗っている筈の強敵(とも)にエールを贈った。

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