《MUMEI》

降りしきる雨と、冷たい風と‥雷の音。

灰色の空が、雲ごと落ちてくんじゃないか、って位‥重たげに見える。

「はぁ‥」

アイツが乗ってた馬に座って、ろくに見えもしない前を見る。

‥土砂降りなんてもんじゃない。

滝みてーだ。

こんな中で、アイツ‥泣いてんのかな‥。

「‥行くか」

ほっとく訳にもいかねーし‥。

タネまいたのはオレなんだし‥。

『ミオ姉泣かしたら‥あたしがはった押すからね』

アイツに──クルミにはった押されるのは御免だ。

アイツ‥本気出したらマジで強ぇし‥。

前へ |次へ


作品目次へ
感想掲示板へ
携帯小説検索(ランキング)へ
栞の一覧へ
この小説は無銘文庫を利用して執筆されています。無銘文庫は誰でも作家になれる無料の携帯・スマートフォン小説サイトです!
新規作家登録する

携帯小説の
無銘文庫