《MUMEI》 どこ歩いてんのかすら分かんねぇ。 ハッキリ言って‥恐い。 アイツを捜してさえいなきゃ、オレは絶対こんなとこにはいない。 いたくもない。 「おーいっ!」 こんな雨じゃ、向こうが返事したとしたって、聞こえねーだろーな‥。 「‥──っ‥」 頭痛ぇ。 「おい、君!」 「?」 「何してるんだ? 建物に入っていなさい──風邪を引くから」 「‥知らねーか」 「‥?」 「オレと同い年位の女」 「‥その子を捜しているのか?」 「ぁぁ」 「見てはいないな‥。この敷地内にいれば、捜し出す方法は──、おい?」 「自分で捜すからいい」 前へ |次へ |
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