《MUMEI》

「ミオっ! 出て来い!」

いー加減、疲れてきた。

‥出て来るはずねーか‥。

「ぁ"ーッも〜‥」

つーか広過ぎんだよ‥この遊園地‥。

地図はアイツが持ってやがるし‥。

それに、ますますひどく降ってきやがった。

髪から何から、全身ずぶ濡れだ。

たぶん、アイツも。

‥だけど。

だんだん、アイツを捜していいのか分からなくなってきた。

アイツは、独りになりたくて飛び出してったんじゃないか、って。

だったら、オレが捜し当てたとこで‥アイツはまた、どっか行っちまうかもしれない。

「‥畜生‥っ」

『私は、須藤君の事好きですよ?』

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