《MUMEI》

雷なんか、うるさくすら感じない。

濡れてる事なんか、どーでもいい。

この雨なんかより、もっと‥オレは泣きそうな気がする。

洪水が起きて、地球ごと破裂させちまう位。

宇宙ごと吹っ飛ばして‥世界なんかなくしちまう位。

「──っ‥」

息が詰まる。

「ぅぁああああッ!!」

狂ったみてーに、叫んだ。

その声すら、この大雨と雷の音に掻き消されて‥すぐに消えちまう。

悲しいとか、ムカつくとか、それすら分かんなくなって、水溜まりにへたり込んで‥ガキみてーに泣きじゃくってた。

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