《MUMEI》

「じゃあ、問3の所もう一回やってみるか」

「‥ハ、ハイ‥」

あのさぁ、

先生‥?

あたし‥

それどころじゃないんですけど‥。

何でこんなに至近距離なんですか‥?

何で平気な顔でいられるんですか‥?

「佐原? どこか具合でも──」

「全っ然平気です‥!」

大声で言ったら、

逆にそれが不自然に見えたみたいで‥

先生はあたしをガン見してきた。

「やっぱりお前──何かおかしくないか‥?」

「おかしくないですっ」

お願いだから離れてよ‥。

あたし‥

ほんとにヤバいって‥。

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