《MUMEI》 「林檎君‥、な‥泣いてます‥? うわっ!?」 未桜の体は、オレが押すと同時に──簡単に地面に倒れた。 「なっ‥ななな何してるんですかっ!?」 「‥悪ぃ、未桜‥」 「ぇ?」 「‥オレが悪かった」 「林檎‥君‥?」 「オレが‥」 「──林檎君は悪くないですよ」 未桜は、笑ってた。その顔は、何でか‥お袋に似て見えた。 「林檎君は、自分を責めちゃダメです」 「‥っ?」 お袋が言ってくれてた言葉に、似てる。 『林檎が悪くないからよ』 「‥未桜」 「ぇ、ぁ‥ごごごごめんなさいっ‥飛び出していったりして、そ‥そのっ──すいませんでした!!」 前へ |次へ |
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