《MUMEI》

「やり甲斐‥?」

「何だろう、難しい事やり遂げた時の達成感に似てるかな」

「テンション上がる?」

「結構」

また、

にぱっと笑って──

先生は教科書に視線を落とす。

「俺もな、初めは勉強嫌いでさ──」

「ぇ?」

ビックリした。

「マジで?」

「おう、かなりな」

苦笑して、

先生はパラパラと教科書のページを捲る。

「授業中は居眠りばっかりして──よく怒られてたなぁ」

「へぇ‥」

意外。

まぁ、

あどけなかったりするのは気付いてたけど──

先生が勉強嫌いだったなんて、意外だった。

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