《MUMEI》

一旦、会社に寄り、車を乗り替えて出た
 
さて、探すかな…
 
助手席に置いてあるパソコンを起動させながら車を走らせた
 
GPS検索
 
検索結果、
 
雅治「赤羽か…、妹の所だな…」
独り言を呟きながら、車を走らせた
 
 
今回の兄貴の依頼は
 
用済みになった、女の処分だ…
 
流石に、従業員は使えない 
兄貴の弱味を握らせる事はできないからな
 
面倒な話しだ…
 
女ぐらい、上手く出来ないもんかね…まったく…
 
 
程なく、車は赤羽に着いた 
たしか、この辺だったよな…
 
パソコンの画面も、目の前のマンションに、カーソルがある
 
間違いないな
 
さて、どうするかな…
 
正面から行ってみるか…
 
403号室  
 
ここだ、
 
AM 2:40 
 
窓の明かりを確認した後でインターホンを押した
 
……出ない…
 
カメラで俺が写ってるはずだけど…
 
もう一度押した
 
暫くして、応答があった
 
「はい…」
 
雅治「夜分すみません、美樹さんを迎えに来ました」 
暫くして、ドアが開いた
 
チェーンロックされたまま、小さく開かれたドア 
 
妹の真樹だった
 
真樹「姉は居ませんけど…」
 
そう出るか
 
雅治「急ぎなんです、…
事態を解決するために、
弟の私が来たんです」
 
「このままだと、…美樹さんにとっても…」
「きちんと、話し合われた方が、お互いの為になるかと……」
 
真樹「……」
 
雅治「…そうですか……残念です…」
「…わかりました、」
「夜分、すみませんでした」
 
頭を下げ、立ち去ろうとした時だった
 
美樹「待って!…」
 
美樹の声だ
 
一度閉められたドアが大きく開いた
 
美樹「雅治さんですよね…」
 
雅治「はい、何度かお会いしてますよね」
 
美樹「…話せるの?…」
 
雅治「その為に、ここに来ました」
 
美樹「この場所は、誰から聞いたの…」
 
雅治「兄からです」
 
美樹「……」
 
困惑してる顔だ…
だけど、兄がこの場所を知っててもおかしくはない
 
ぼろが出る前に、キメたいな…
 
雅治「美樹さん、今から出れますか?」
 
美樹「……わかりました…」
真樹「お姉ちゃん、…」
 
美樹「大丈夫よ、真樹、話し合ってくる」
 
真樹「大丈夫なの?…」
 
美樹「…うん…大丈夫」
 
雅治「下で待ってますから」
 
そう言って、一礼して、
部屋を後にした
 
 
気が引ける仕事だな…
 
心の中でつぶやいた

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