《MUMEI》
意地悪
男は危ない笑顔で明枝の脚を触った。
「いい脚してるね、明枝」
明枝は生きた心地がしない。手足を拘束されても強気な態度を取れるのは、アニメのスーパーヒロインだけだ。
明枝は何とか許してもらおうと必死だった。
「んんん」
「明枝。さぞかしいい体してるだろうな」
「んんん」
明枝はもがいた。手足に力を入れる。しかしガッチリと固定されているので、自力でほどくのは無理だ。
男が楽しそうにタオルに手をかける。
「んんん!」
明枝は泣き顔で首を横に激しく振った。
「明枝。裸は許してほしい?」
「ん」
必死に頷く明枝のやわらかいボディを、男はバスタオルの上から触る。
「明枝。猿轡外してあげようか?」
明枝は素直に頷いた。
「外してあげてもいいけど、悲鳴上げたら裸のまま廊下に転がすよ」
どうしてそんな恐ろしいことを思いつくのだろうか。明枝は冗談だと信じた。
男は、ゆっくり猿轡を外す。明枝は男の目を見つめながら哀願した。
「ほどいてください」
「その前に生意気な態度取った罰として、お仕置きが必要だよ」
「ごめんなさい。許してください」
明枝は意地を捨てて平謝りだ。しかし男はゲームを続けた。
「明枝。いつも男にああいう態度取ってるの?」
「取ってません」
「嘘つけ」男は笑った。
「本当です」
明枝は、玄関に置いてあったダンボール箱に気づいた。男が持ってきた箱がなぜかベッドの脇にある。
男は意味ありげに笑みをつくると、箱を開けた。
「ジャジャン!」
中から取り出しのは電マだった。
「イヤ…」
身じろぎする明枝を見て、男はさらに満面の笑みを浮かべた。
「明枝。その慌てぶりからすると、これが何か知ってんだ?」
「やめて」
「遊んでる子なんだ。いけないなあ」
男が電マをコンセントに繋ぐと、スイッチを入れた。ウィーンと恐怖の音を鳴らしながら、明枝の下半身に近づけた。
「やめて、一生のお願いですから」
「やめないよ」
男はタオルの上から、明枝のいちばん敏感なところへ電マを押し当てた。
「あん、あ、やめて」
明枝は暴れた。
「感度いいんだ明枝。とことんいじめてあげるから覚悟しな」
情けも容赦もない。明枝は歯を食いしばった。
男は言葉でも彼女を揺さぶる。
「明枝。スイッチ最強にしてもいい?」
「そんなことしちゃダメ」
必死の懇願も虚しく、最強にされてしまった。ひときわ高い音が部屋中に聴こえた。
「あん、ちょっと、ちょっと待って、ちょっと待って」
「待たないよ。俺待つの嫌いなんだ」
明枝は唇を噛んだ。どんな理由や言い訳をしようが、昇天してしまったら女として負けだと思った。
電マから逃れようと腰を動かす。だが無駄な抵抗だ。タオルの上からでもきつい。じかにやられたら、かなりまずい。
すると、男は突然電マのスイッチを切った。
明枝が荒い息を整えながら、問いかける目で男を見た。
許してくれたのだろうか?
甘かった。男は電マを箱の中にしまうと、別の電マを出した。
「ジャーン!」
今度は電マの先端に凄いものが装着されてある。
ブラシのようなトゲトゲだ。男がスイッチを入れると先端が高速回転した。
夢なら早く覚めてほしい。
「やめて」
「女の子にとって、嫌いな男に攻められて陥落しちゃうのって、屈辱だよね?」
「別にあたし、あなたのこと嫌いじゃありませんよ」
「その必死さがかわいいね。俺は明枝みたいなタイプ大好きだよ」
明枝は怯んだ。さっきまでは生意気な態度に腹を立てたものとばかり思っていたが、違う。
計画的な犯行だ。いや。まさか常日頃からこういう責め具を持ち歩いている究極の変態か?
男は高速回転したまま、明枝の足首に先端を触れさせた。
「やめて」
そこから徐々に上へ上がっていく。
「ダメ、やめて」
そのまま止まらず明枝の秘部に直撃した。
「待って…あん!」
気持ち良過ぎる!
「やめて、お願い!」

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