《MUMEI》

美樹を乗せ、首都高へ
 
美樹「何処へ?…」
 
雅治「込み入った話しですから、私のオフィスの方が良いかと」
 
美樹「……」
 
雅治「目黒ですから、」
 
美樹「…そう…わかりました…」
 
兄が住む、青山からは、車で、夜なら15分ぐらいだろう
 
美樹は、疑いもせず、
いや、…半信半疑だろうか…
それでも、信じようとしてるんだな…
 
地下駐車場に車を停め
 
13階のオフィスへ
 
 
暖かい紅茶を出し
 
雅治「少し、待っててください」
 
美樹がちらりと時計を見た 
AM4:00になろうとしていた 
ソファーに腰掛け、紅茶をひと口ふくんだ美樹 
 
その瞬間、美樹の口をガーゼでふさいだ
 
美樹「ん゙ー!!」
 
暴れる美樹を、力任せに押さえこんだ
 
息を止めたまま
 
時計を見る
 
…1分経過…
 
ガーゼを、ビニールに入れて口を縛る
 
隣の部屋の扉を開け
深呼吸した

雅治「ぷはぁー、苦しかったぁ」
 
息を整え、美樹の居る部屋に戻り、換気をした
 
美樹「な、何を、したの…」

ソファーに倒れこみながら、目だけをこちらに向けて、美樹が言った
 
雅治「悪いけど、暫く寝ててね」
 
そう言って、携帯を取出し、俺は電話した
 
雅治『先生、悪いけど、今から頼むよ』
 
手筈は整った

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