《MUMEI》

「クラウド。」


「わぁ!!

な、なんですか!!」


び、ビックリしたぁ。


グレイドが気配もなく後ろに立っていたのだ。


「ははっ、
悪かったな。」


そう言いつつも、
彼の表情からは“反省”の二文字は伺えない。


「絶対面白がっているだろ!!

あ……。」


しまった。


思わずグレイドにタメ口をきいてしまった。


「別に構わねぇよ。

そっちの方が気が楽だしな。」


グレイドはあっけらかんとしてそう言うと、


「そろそろ行くか!」


俺の手を掴んだ。


「えっ!

何処に……!?」


「決まってるだろ?

俺ん家だ。」

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