《MUMEI》
好きの意味
『おっす。翼』

『ぁ…ぉはょぅ…隼人』
翼の声は聞き取れたのがすごいくらい小さかった。


『一緒に学校行こうぜ』

『ん…』


あんまり寝てねぇのかな…。

表情が暗い。


“転んじまった”


違う。

俺は翼に…


(キス…したい)


気の迷いなんかですむ話じゃねぇ。

間違なく、俺はアイツに自分の意思でキスをして、泣かせた。


だよな…。

ファーストキスの相手が男って…

落ち込むなって方が無理ってもんだ…。


チラリと横目で翼を見た。

鞄を両手に抱え、女子の様な髪の毛を風になびかせて歩いている。


『翼、あのさ…』

『しっ、宿題ならあとで渡すから!!僕、日直なんだっ!だから…行くね!』

翼は今までみた事ないくらいの速さで走りさって行った。


『っはぁ〜』

思わずため息が出る。

あー、ちょっと待て。

よく考えたら俺バリバリのホモじゃん。

そりゃ翼だって引くっつーの。

って、でもじゃあ何で翼は俺にキスしてくれたんだ?

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