《MUMEI》 誕生日会・第一弾「…なるほど」 「ね?」 リビングにやってきた俺は、既に着席しているメンバーを見て、納得した。 「あ、祐也、やっと来た」 「主役より遅いなんて、ダメじゃない」 俺に、手を振る柊と志貴は いわゆる『お誕生日席』に、二人並んで座っていた。 つまり 一日目の今日の主役は、この二人という事だ。 そして 必然的に、明日 二日目の主役が、祐と希先輩になる。 (さて、俺の席は…) 「こっちこっち! 俺の隣」 俺を呼んだのは、祐だった。 ちなみに 俺と祐の席は、柊と志貴の向かい側だった。 「席順揉めたんだぜ? 皆、祐也の側がいいってきかなくてさ」 「皆なわけないだろ」 席に着きながら、俺は反論した。 (一応)フリーな秀さん・志貴・厳・頼はともかく 後は、皆決まった相手がいるのだから。 「…ま、席なんてすぐに関係無くなるけど、とりあえず、隣で嬉しいよ、俺は」 祐は、俺の反論を無視して微笑んだ。 「さ、これで皆揃ったわね?」 志貴はそう言ったが 志貴に一番近い席は 未だに空席だった。 (あそこって…) 前へ |次へ |
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