《MUMEI》
最後の出席者
この別荘に来たメンバーは既に全員着席していた。


と、なると


来るのは、一人しかいなかった。


「さ、始めましょう」


何か言いたげな皆を無視して、志貴が言った


その時


ピンポンピンポンピンポンピンポンピンポン…


必死な感じにチャイムが鳴り響いた。


「開いてるのに」


呆れたように、果穂さんが言った。


(いや、普通は勝手に入らないだろう)


…何故か、高山家の皆は、志穂さん以外果穂さんに同意していたが


「俺、行ってきます」


常識人の屋代さんが立ち上がった。


屋代さんと拓磨は、屋代さんが時々サッカー部に顔を出すから面識があった。


(屋代さんに任せよう)


拓磨に嫌われている俺は、大人しく座っている事にした。


「お、前! 何て格好して来るんだ!?」


(な、何だ?)


屋代さんが大声で拓磨にツッコミを入れた理由は


タキシードで現れた拓磨を見て、すぐにわかった。


「え? あれ?」


拓磨が混乱するのも無理は無い。


風呂上がりの、拓磨以外のメンバーは


皆、ラフな格好で、女性陣に至っては、すっぴんだったのだから。

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