《MUMEI》
好物ばかり
「ところで、…変わった、メニュー、ですね?」

「「悪い?」」

「い、いえ…」


(今日の拓磨は可哀想なポジションだな)


主役二人に睨まれ、拓磨は冷や汗をかいていた。


実は、密かに調理担当の秀さんも睨んでいたが


あえて、それは伝えなかった。


(席、遠いしな)


乾杯が終わり、皆主役二人に順番に挨拶?していたようだが


(プレゼント渡す時、行けばいいよな)


俺は、のんびりと食事を楽しんでいた。


今日のメニューは


柊の好物・オムライス


志貴の好物・ハンバーグ


サラダ・スープ、までは、いいが…


(確かに、変わってるよな)


二人の好物


…餃子


山盛りの、それが、かなり、おかしかった。


「あ、意外にさっぱりしてる」


餃子を一口食べて、俺は思わず口を開いた。


「うん。さすが、秀さんと母さん。いろいろ工夫してる」


隣の祐が真剣な表情で味わっていた。


「わかるか? 祐」


試すように、秀さんが問いかけた。


祐は


オムライスのケチャップが普通より少なくて、具が野菜だけの事・ハンバーグのソースが和風な事・餃子の肉が鶏肉になっている事を述べた。

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