《MUMEI》
まだまだ
「それだけか?」


秀さんは、フッと笑った。


「それなら、素人でもわかるぞ。…まだまだだな」


そして、秀さんは


スープとサラダの工夫


ハンバーグの、挽き肉の割合


餃子のタレの隠し味について、解説した。


時々、俺が知らない調味料や専門用語?を口にしたから俺はその全てを理解できなかったが


「やっぱ、まだまだ、か…」


秀さんが去った後、祐は珍しく落ち込んだ。


「だから、勉強するんだろ?」


珍しく、俺は慰めてしまった。


「おう! ありがとう、祐也!」

「明日も、頑張れ」

「明日は平気!バーベキューだし、タレとか市販にしてくれって頼んだ!」

「希先輩も、か?」

「希は優しいから!」

「…そうか」


(やっぱり、慰めなきゃ良かったかな)


ちゃっかり者の祐を見て、思った。


「そろそろケーキ食べたい! ていうか、祐也のプレゼント欲しい!
こっち全然来ないし!」

「俺も〜! 祐也のプレゼント、欲しい!」


主役二人が叫んでいた。


(そんな、大したもんじゃ無いんだけどな…)


俺は、プレゼントが置いてあるソファーを見つめた。

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