《MUMEI》
プレゼント
「「…」」

「使って、くれるか?」

「「使う、けど…」」


微妙な反応の二人に、他の皆も注目し


手元


つまり、俺が渡したプレゼントを見た。


俺のプレゼントは、一言でいうと


『実用的』


「俺、久しぶりにもらったよ」


そう言う柊には


ボールペンとメモ帳


「お前よくメモ取るし」


その二つを常に持ち歩いているのを、俺は知っていた。


「私、…初めてもらった」

そう言う志貴には


シルバーの、電卓


「バイトで使うだろ?」


それに、『自分専用が欲しい』と最近志貴は言っていた。


ちなみに、文房具も電卓も、最近出来た輸入雑貨店で購入した。


周りも何やら微妙な反応だが、俺としては一生懸命選んだ結果だった。


「嫌なら返せ」


「え? 違うよ、使うよ! あ、でももったいないかな」

「私は使うわよ!」

「志貴は減らないからいいよ」


俺の言葉に、志貴と柊は慌てて口を開いた。


「なら、いい」


俺が笑うと、やっと周りに穏やかな空気が流れた。

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