《MUMEI》

‥ちょっと待った。

何‥?

あたしが席譲ったお婆ちゃんって‥

先生のお祖母さんだったの‥!?

「ぇ、マジで‥!?」

「おう、本当だけど?」

「嘘っ‥」

「いや、だから本当──」

「‥‥‥‥‥‥‥」

信じらんない‥。

「あたしの事──何か言ってた‥?」

「親切な優しい子、ってさ」

「ぇ」

「にしても、奇遇だよなぁ」

「お祖母さん、名前‥何ていうの‥?」

「──春日井詠子」

「ヨミコ‥さん‥?」

「喜んでたぞ? また会いたい、って──」

「───────」

「どうした? 何か変な事言ったか‥?」

「ぅ、ううん、そうじゃなくて──‥」

ただ、

ビックリしてるだけ‥。

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