《MUMEI》

 汗はすでに乾いていた… 
ベッドの上でタバコを吹かしながら オルガは水晶の玉を見つめていた… 

「この水晶の玉と…あなたの言うその石とは…どう違うのかしら……」 


パスカルはまだ少し紅身を帯びた背中を 向けていた… 

「あそこには…なかった……。 いいか オルガ… 必ず…奴のID カードを奪うんだ … 」 
閉じていた…パスカルの眼が 鋭く開いた…
その開いた片方の眼は… 緑色の豹の 眼 だった。

「…ミーシャ……それから…わたしは…どうするの……」

オルガが… パスカルの、そのしなやかな紅い背中にキスをしながら囁いた 。 

ミーシャとは…  
パスカルの ロシア名だった 。 

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