《MUMEI》

 「だがな… 今度ばっかしは九ちゃんも頑張ったでよォ…いや…… 頑張る理由があったんだな…コレが…」 

相当いやらしいそのビルの顔が…ますますいやらしくニヤリと…なった 。 

「学校の担任の先生がよ…
女の先生だったんだがな…コレがまたキュートな美人教師でよ……
九ちゃん ガキのくせして 惚れちまいやぁがってよ(笑)……  
ある時… 九坊は遠足で行った水族館で サメの腹にくっついて離れない あの小判ザメを見たときよ…
言っとくけどよォ…オラ〜なんで小判って名がつくのかは知らねぇよ…  ははぁ(笑) 
九ちゃん…その綺麗な先生に聞いたんだべ ……なんで 小判ザメは いつも大きな腹の下に くっついているんですか? てよ…… 
で…九坊に聞かれた その綺麗なネェちゃん…いや美人の先生はよ…偉いじゃねぇか…… 
小判ザメはいつも一人ぼっちで行動するでしょ……だから 生きてく為に要領よく 強くて大きなサメに くっついてるんだ!…って…そう答えたんだべサ… 

惚れた九坊はよ…それ聞いてからよ…変わったんだよな考えが… その日からよ……  
要領よく生きなきゃ……自分も損だな!って思うように なっちまったんだろうな …… 」 

通称ビル先生の話しにも……熱が入ってきていた 


「ことわざ通りによ…強い奴にゃ 巻かれろで… 
九坊の人に接する態度もだんだんよくなってな… 
一度クラス会でみんなから…お笑いなんかとったもんだからよ…ハマッちゃってな…
その日から…九ちゃん…もぅみんなの人気者さ〜な 

小うるさい里親の旦那の前でも…できるだけ愛想よくしたりして… しかもわざとお(笑)いなんかやらかしたりするもんだから…あの堅い旦那も… お小遣い弾んでやったりしてよ…… 
九坊…生きる要領…我 得たり〜だでや…  はははぁ〜(笑) 
アンタもしかめっ面ばっかしないでよ…少しは(笑)えよ……はははっはぁ〜(笑)…」 


余計なコトを言われて宏介は…この野郎。…と思ったが…
ふと考えみたら…
確かに…そう言えば…自分は永いコト…腹の底から (笑)ってないなぁ…と、気がついた 。 


「それからは九坊も勉強にお(笑)いにと…頑張ってよ… 大学じゃあ 落ち研やら漫談とやらを本格的にやりだしたり……… 
そう……ここまで言うと… もうわかったじゃろ!  九ちゃんの正体が…… 

そうさなォ…… あの一世を風靡した 漫才コンビの コンドル一号…二号の…
 一号の…九ちゃんだよ !

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