《MUMEI》

「ふぉっ、ほんとです‥」

慌てて治そうとする辺り、マジで可愛い。

「つーかそこじゃねーぞ?」

「?」

「見てみろよ、ほら」

「──、ぁ」

「ほら、頭貸せ」

「ふぉぁ!?」

「アホ毛みてーになってら」

「アホじゃないですよ私は〜」

「でも立ってんじゃん、アホ毛」

「それは寝癖っていうんですーっ」

「‥まぁいーか、直さなくても」

「ぇ?」

「それはそれで似合ってなくもねーし」

「はぃ?」

未桜は首を傾げた。

「似合ってます?」

「たぶん──だけど」

「───────」

自分の頭を窓に映して、未桜は何か嬉しそうにしてた。

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